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gameで学ぶ「北欧神話解説/その1」巫女の予言~ACヴァルハラplay日記

 

gameで学ぶ北欧神話ーーその1は世界観、その2は主要人物メインで解説

少しネタバレあり未プレイの方気を付けて

(2018年発売のGod of Warもこの北欧神話の神々を子連れでブイブイ言わせてるのでよかったらプレイしてみて下さい。進撃の巨人も世界観は同じっぽい・神々=壁に守られている人間であったり襲ってくる巨人の存在もあり。登場人物の名前も興味深いですしね

 

アサシンクリード〜ヴァルハラが丁度発売されたので〜このゲームをベースに北欧神話を学んでいこうかな。参考本もゲーム本編も面白いので更新遅め

アサシンクリードの世界観にあうなぁと思っていた神話のアイテムが

食べれば老いないとされる「イズンの黄金のリンゴ

林檎関連でてきそうなイス!アサクリといえばイスですしね!この辺はアサクリ好きしか分からないネタ

 

 

<目次>

 

 

アースガルズ篇

gameストーリー:アサシンクリードヴァルハラの主人公エイヴォルは身近にオーディンの存在を感じていた。幻影もあらわれはじめ、昔なじみの預言者ヴァルカに相談する。原因を探る為「霊薬を飲んで意識を九つの世界へとばすのよ~」流れにのまれた主人公。目覚めるとアースガルズの主オーディンになっていた

  

ユグドラシルオーディン&九つの世界~北欧神話の世界について

まずこの3点重要

そもそもの「世界のはじまり」から知りたい方は目次から下にとんでください

 

↓画像の手前~城へと続く煌めく道は「ビフレストBifröst)」虹の橋

ゲーム中「敵がビフレストを渡る前に!たたく」などの発言アリ

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↑目に入るトネリコの巨木=ユグドラシル

 

ユグドラシルYggdrasill)オーディンの馬

ユグ=おそろしき者=オーディン /   ドラシル=馬

これはオーディンが首でもくくられたようにしてこの木に吊り下がり、自分の体を槍で突き仮死状態になってルーン文字を発明したエピソードによる。罪人などが絞首刑になることを西洋では馬にのる」といいオーディンがこの木にぶら下がったのを馬にのったとみてこの木を「オーディンの馬」=ユグドラシルと呼んだ。以後「世界樹」表記

三つの大きな根が木を支えて遠くまでのび、その一本は神々のところ。もう一本は霜の巨人のところ。三番目はニブルヘイム(霧の国、死者の国)まで届いている。その梢は九つの世界全ての上に広がる。枯れると。。。☠

 

オーディンÓðinn)

北欧神話の主神~敵巨人族との混血 

主神と言っても何でも思い通りになるわけではなく..よく悩む

彼には色々な<呼び名=ケニング>があるので紛らわしい

神話篇では主人公エイヴォルがハーヴィー(高きもの)という名前で登場

母は巨人。妻はフリッグで二人の間には息子のバルドルがいる

愛馬は八本足のスレイプニル。愛用の武器は槍のグングニール

魔法と変身術にたけ彼の兄弟たちと人間を創造。肉体は腐っても滅びない魂を与える

貪欲な知識欲により片目喪失神話篇は見た目エイヴォル。この体の両目はまだ無事である。本編ではフードで影になりみにくいが‥隻眼。ある重要エピソードによりこうなる。game本編に出てくるオーディンはここで取り上げている神話編のあとの彼なのね..時系列。ふうむ

イライラしているのは自分の死が予言され(死にたくない)回避方法も見つからない為。回避策を探しにフラッと居なくなる→たまにアースガルズにいると「ハーヴィーお帰りだったか」などと声を掛けられる爺

スーパー重要人物なので詳細はおいおい...曲者っぷりは神話篇ではなく現実篇にでてくるオーディンをみていると何となく感じていただけるかと。エイヴォルに語り掛ける内容で...。

アースガルズ篇では巨人の強襲を防ぐとともにラグナロクを(自分を殺すと言われている獣の出現を)恐れ対策を練ろうと必死な彼と神々(ロキ除く)がみられる

 

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九つの世界  =古代北欧の宇宙論

預言者ヴァルカさんの霊薬を飲む時話にでてきた「九つの世界」について

この世界(北欧神話の)は三層構造からなる。九つの定義は諸説あり

(世界の創造に関してはヴァルハラgame本編~冒頭二分で説明あり、後で紹介)

 

一層

  • アースガルズアース神族の国(元イザヴェルIðavöllr
  • ヴァナヘイムヴァン神族の国
  • アルフヘイム=フレイが支配する光の妖精(エルフ)の国

二層 

  • ミズガルズ人の世界
  • ヨトゥンヘイム=巨人の世界
  • スヴァルトアルフヘイム=小人の国。&ニダヴェーリル

三層 

  • ムスペルヘイム=炎&スルトの世界
  • ニヴルヘイム=氷に覆われた世界
  • ヘルヘイム死者の国 (Helheim)ニヴルヘイムと続いているらしい 

 

※ヘルヘイム→英語のhell(地獄)ではない。ヴァルハラに行けない普通の死者がむかう場所

※一層と二層はビフレストで結ばれている→行き来できる!巨人の侵入経路になりえる

※巨人と言ってもサイズはほかの神々と同じ位。ゲーム内ではちょいデカ!進撃の巨人クラスを想像しているとゲーム初対峙で戸惑う(例外もある)

※アースガルズはオーディンが兄弟たちと巨人の亡骸から作った

 

 

ヴァルハラとは~今回のゲームタイトル

ヴァルハラ(古ノルド語ではValhöll=戦死者の館)とはオーディンの宮殿の一つ。ミズガルズで戦死した英雄の魂=エインヘリャルeinherjar)が集まるところ

ゲーム本編ではアースガルズでデーン風の戦士っぽい服装をしている人たち

その魂はヴァルキュリャ(valkyrjavalr戦場の死体+kjósa選ぶ)により選別され集められ来たる終末の日(オーディンたち神々が死ぬと運命づけられた)ラグナロクRagnarök)に備えている。対巨人用戦力。オーディンは優秀な戦士を集めるためにたまにわざとその勇者が死ぬように仕向けるときがある。それは優秀な戦士が欲しいから...自身が終末の日に死にたくないから。とても自分本位でロキにこの事を指摘され言い返せなかったエピソードあり

戦い&ご馳走食べ&蜂蜜酒飲み放題のためヴァイキング憧れの場所

エインヘリヤルは軍事訓練で死んでも夕方には生き返る仕様) 

(人はオーディンたち神々によって樹から作られたので神々に加勢するのかも。人が生まれるとそこへノルニルが寿命を決めに向かう。

ゲーム本編ではエイヴォルさんが戦死する友人に斧を持たせてあげようとして「あんな奴ヴァルハラにいらんぞっ」てオーディンから言われるシーンあって(*´艸`*)ですよねとなりました。一応ヴァルハラ送ったけれど・・ヘルヘイム送りにしても良かった)

ラグナロクの時エインヘリヤルが活躍した描写は確かないけれど・・記憶に残ってるのはほぼ神々の激しい戦闘ばかりで。。。そういえば?どこいったという感じ

 

ご参考~サブイベ動画『ヘルヘイムの泉』

エインヘリヤル・ヘルヘイムに行きたがるの巻

その理由は・・

 

オーディンは妻のために九つの世界は動かさないような。逆は有るかもだけど

決闘しろというエインヘリヤルに「公正を欠いているな。俺は何も得ず、お前も生き残れない」って言うオーディンさん本音がすけてていいね。ほんとは公正なんて気にしてないんでしょう?。。

 

アースガルズ篇~動画(YouTube

現実世界にて~予言者の小屋を建てアースガルズへいく薬の調合をしてもらう所からスタートする

5分30秒あたりから北欧神話~アースガルズ篇

↑ペットのカラスが隣で3女神に圧とばしてるの・・

「オレは永遠だ!」

本編とちがい神話篇・偉そうな神エイヴォルさんたまらない!

この後呆れた感じで三女神は帰っていく・・

世界の創造も終わり、ラグナロクに向け策を練るオーディンさん

彼が偉そうに座っている場所、「ヘイムダルの塔」と表示がでるけどビフレストを外敵から守っているあの寝ずの番をする神ヘイムダルさんの塔ってこと?彼の居城は橋のそばにあるヒミンビョルグでそこから世界を眺めているはずでは・・たぶんバグ。。別の場所でもヘイムダルの塔と表示されるとこがあるので・・この館はグラズヘイム(game中「大いなる館」と呼ばれている本によっては「喜びの館」など)で椅子はオーディン玉座フリドスキャルブ(座ると全世界が見渡せる)だと思われる

 

↓クリックで拡大。よく落ちているメモ・面白いので基本読んでいく

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ヘイムダルさんからもっとまともな部下をよこせと連絡が

とても鋭いのが「私が死ぬときは~あいつが原因に~違いない」

そうなんですよね・・・ラグナロク・・

神話通りにいくとそうなります。彼の人物紹介は出てきたらやる!

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↑鍵とは何の事だろうか。。。??

 

運命の三女神~神でも逆らえない「運命」の力

ノルン=運命の女神。複数形=ノルニル「運命を紡ぐ女神たち」のうち有名な三人がゲームに登場。長女ウルズ、次女ベルサンディ、三女スクルド

(ゲーム序盤シグ兄が巨大な獣に襲われる夢をみたとき道中で糸?を紡ぐ姿がでてくる)

天にのびた世界樹の根元に湧くウルズの泉に住んでいる

※この泉の側で神々は会議を開き色々な決定をする

※とても神聖な水で~入る者は卵の殻の薄皮のように白くなる。。らしい

※いつも二羽の白鳥が泳いでいる

※三人の役目は世界樹の傷口に泉の水と泥をまぜたものを塗ったり、木の根元に泉の水をそそぎこの宇宙を支える樹が枯れないようにしている(食害が酷いんですよ。。解説その3参照)

 

ノルニルの預言>>>>「運命は絶対 Death!」by香川照之

 

アースガルズ篇開幕~「お前しぬよ」と運命を断言されて従うオーディンさんではない

ここから神だけれど運命に抗う姿がみられるわけで~主人公エイヴォルさんと境遇が似ておりプレイヤーは「おッ!」と楽しくなるシーン

ちなみに前作の『オデッセイ』OPムービー!テルモピュライ戦でレオニダス王は「運命と向き合おう」と言ってましたね…かっこよかった♡お爺

※ノルニルすべてが巨人族ではなく様々な種族が存在

※悪い運命(短命だったり貧乏など)の人は悪いノルニルのせい!

※エッダ≪巫女の預言≫では~楽しく不足なく過ごしていた神々。ヨトゥンからきた凶暴な巨人三人娘の出現で幸福な時代に終わりを告げた~と書いてある(・・凶暴?・・)

ゲーム冒頭オーディンが苛つくのもわかる。映像で少し映るカラスの死骸・・生贄が捧げられていたのは彼女たちを召喚するため?文献漁ればどこかに書いてあるかな 

 

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主要な神については次回!

 

北欧神話おススメ入門書

こ難しい話はちょっと。。。という方は子供でも理解できるよう優しい口調で、わかりやすく書かれたこちらの本がおすすめ。図書館ででも借りてみてください。本当にわかりやすい本です。文章をよんでいるとでその著者の人柄が滲みでてくる(私だけ?)とおもいますが、、人柄も素晴らしく頭のいい方なので読んでいて楽しい気持ちになります(これは谷口先生にもいえること)

 
北欧神話の原典~エッダ

本格的に読みたい方向け用。エッダ。私は何となく聞いたことがある程度でしたが

~このgameでは重要そうなので履修中

~谷口幸男先生の「エッダ」本は解説も丁寧で読み&使いやすくおススメ。特に巻末の索引!この本は今販売していないので興味がある場合は中古で買うか図書館で読んでみるしか。。下の本はおすすめとは別の本ですが2017年に復刊したこの本でも入門にはよさそう

 ↓

エッダとサガ: 北欧古典への案内 (新潮選書)

エッダとサガ: 北欧古典への案内 (新潮選書)

 

 

≪エッダといっても~2種類あるよ≫ 重要なのは古エッダの方

 

新エッダ=詩の入門書。内容は神話や英雄譚など古詩の集成。元ネタは古エッダ。十三世紀アイスランドのスノリ(著者というか編者か?)本人はキリスト教徒。異教の北欧神話を面白く書いて当時評判になる

 

古エッダ=九~十二世紀頃にわたって作られた古い神話や英雄をうたった詩を三十篇あまり集めたもの。1643年にアイスランドのスカルホルトで発見←エッダと言ったらこちら。スノリが手本にしたと言われる原典。ゲルマン神話のよりどころ

 

エッダを1Pでも読んでいると・・ゲーム出だしOPムービーの意図がわかる

↓  

巫女の予言・とは・・・エッダの冒頭に置かれる北欧で最も有名な詩

巫女がオーディンに問われ世界の起源~没落~再生を語る

 

果たしてオーディンさんは運命に抗えるんでしょうか(エイヴォルも)

予言通りフェンリル狼にやられてしまうのか!?

本が面白くてゲームしても楽しくて・・時間がいくらあっても足りない涙

いや。。今さら鬼滅にもはまっていて時間がとれない。。れ。。煉獄さんnnnnNN進撃の巨人もファイナル面白いよーやっとNHKのアニメ放送に追いついた

 

世界のはじまりの物語&巫女の予言動画(YouTube

≪世界の始まりの物語≫ ~簡易ver

はじめには、なにひとつありませんでした。一面霧につつまれていて、何も見えない。ただぼんやりした形のかたまりだった。その真ん中にギンヌンガの裂け目という深い穴が広がっているだけ。裂け目の北側はどこまでも広い闇と霧に閉ざされた寒い世界ニブルヘイム。その真ん中からは泉が湧き出し幾筋もの川の流れのひとつに毒が混ざっている。それらは凍り付いてギンヌンガの穴の中へ落ちていく

裂け目の南側は熱いムスペルヘイムの世界。見張りをする「スルトが炎の剣をふるたびに火花が雨のようにギンヌンガの穴にこぼれ氷の塊から蒸気が立ちのぼる

立ち上る蒸気はニヴルヘイムから吹く凍てついた風のせいで徐々に大きくなる。塊から成長した氷山が穴の口まで届くように・・・

この氷の塊にムスペルヘイムから吹き付ける熱風があたる。いつしかそれに生命が宿る。「ユミル」という巨大な生き物が生まれた。とても大きい牝牛も生れた。ユミルは牝牛の乳を飲み、牝牛は氷の塊についている塩を舐めていた。すると氷の塊の中から「ブリ」という神が現れた。ブリは「ボル」という男の子を産む。牝牛の乳に飽きたユミルはうたた寝中に汗をかき脇の下から巨人の男女がひとりずつうまれ、足の間からは頭を六つ持った巨人がうまれた

神々はよいもの、正しいものの味方。巨人は川の毒気を受けて性質が邪悪で乱暴、悪いことや正しくないものの味方。仲良く暮らすことは不可能と思われた。しかし神ボルは巨人の女のベストラと結婚し「オーディン&ヴィリ&ヴェー」の三人の神がうまれた。神々は巨人の頭(かしら)のユミルが大きく性質も悪いので片づけてしまった。あたり一面血の洪水を引き起こし残りの巨人どもはおぼれ死んでしまったが「ベルゲルミル」という巨人だけは妻と一そうの舟(または石臼)に乗って世界の果てヨトゥンヘイムへ向かう。そこで「霜の巨人」と呼ばれる巨人どもをうみ育てました。新しくうまれた巨人らは両親にならって神々を敵・仇と思い込み狙うようになる。神々の方では巨人のいなくなったぼうぼうと広がる世界を造り変えることにしました。ユミルの遺体を使い広い大地を。血で川や海を。骨で丘や山を。歯や顎やくだけた骨で岩や石を。髪の毛で木や草を。巨大な頭蓋骨で大空をつくり脳みそを大空へまき散らして雲にしました。力の強い小人らはその肩で空を支えた。ムスペルヘイムから飛んでくる火花を大空にまき星や太陽・月をつくった。ユミルの肉が腐りその中にうごめく小人を発見した。オーディンは住まいを作るために鍛冶屋をたて神々の国アースガルズを作り、トネリコとニレの木で人間を作り大地に住まわせることにした。

 

個人的な疑問・感想

・ユミルの前からスルトさん存在してるんスよ。お前何処から湧いたんだ

ムスペルヘイム等は以前から存在していた?一度滅んだ世界の後かなとか

・ブリあたりまで性別書いてなくて両性具有感が強い。いや・・無性生殖?

・食べ物大事だな。食べたもの(毒)で気質が変わるんだから~汚染水飲むべからず

ノアの箱舟的なことまで書いてある・・既視感

・やっぱ気になるスルトさん。。どんだけ素振りして鍛えてれば気が済むんだっ!

 

おまけ≪ゲーム本編≫

天地のはじまりを語る巫女からスタート!エッダと同じ!!

↓開始40秒~2分までが「巫女の予言」

 

 

次はこちら↓

 

 

 

 

参考資料

新潮社版『エッダー古代北欧歌謡集』谷口幸男訳

新潮社版『北欧神話と伝説」グレンベックー山室静

㈱白水舎『ヴァイキングの暮らしと文化』レジス・ホワイエー持田智子訳

明石書店『バイキングと北欧神話武田龍夫

筑摩書房『北欧の神話~神々と巨人のたたかい』山室静

wikipediaなど